どんな教材を使うにしても、何回も音読することが上達のカギであることに変わりはありません。とはいえ、五〇回読めば身体がおぼえてくれるかというと、これだけではまず無理でしょう。何日かたてば、きっと忘れてしまいます。だから、次の日に次のユニットに進む前に、もう一度何回も音読して、下がりかけた記憶のカーブをぐっと引き上げてやりましょう。でも、これでもうだいじょうぶかというと、まだダメだろうと思います。何日かあとにもう一度読めば、かなり定着率が上がるはずです。あるいは、何度も読んですでに頭に入っているのだから、なにかをしながらでも、何度も口にだして言ってみることです。口にだしてブツブツ言ってみるのなら、どこにいたってできるはずです。掃除機が大きな音を立てていても、洗濯物を干しながらでも、お風呂のなかだってできます。やさしい英文を五〇回も読むなんて時間のムダだ、と思うかもしれません。でも、「急がば回れ」とは、まさにこのことです。英語を身につけ、とくにしゃべれるようになりたい人には、これが最適の方法だと思います。こうやって、よく使われる言いまわしをおぼえてしまえば、英語の聞きとりも会話も、いままでよりぐっと楽になります。あとは、いろいろなものを聞いたり、たくさん読んだりして、表現を増やしていくわけです。ただ、一冊の本に載った表現を完全におぼえてしまおうとがんばると、それだけに時間をとられて、ほかのことをやれなくなってしまいます。だから、少しぐらい忘れても、あまり悲観しないことです。それよりも、あとで述べるように、ヒアリングや多読を並行しておこなうほうが効果的です。重要な表現は、ほかの教材にも何度か出てくるでしょうし、ひとつの教材をそれだけ後生大事に暗記するより、ほかのこともやってみて総合的な英語力をつけたほうが、上達の近道だからです。
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