英語を聞かせるほうがよい

2011.08.12

学習者の年齢や置かれている環境によって「言語の習得」の条件は異なります。「子どもは耳がよい」というのが当てはまるのは、母語習得が終わっていない段階のことです。また、英語圏で英語だけの環境で育てられている場合と、日本において週に一、二度英語にふれる程度ではまったく条件が異なります。日本の環境で無理のない範囲で、かつ効率的に英語にふれさせたいならば、母語習得以前の幼児期には、その時期にこそ優位にあると思われる「母語の体系で処理する制約が少ないこと」や「心理的バリアの低さ」を生かして、「意味のわかる」大量の音声(リスニング)中心の教育を行うことが、その先への学習の基礎をつくるために効果的だと考えられます。ただしもちろん、どれくらいの時間、どのような頻度でどのような英語を聞くのか、条件によってその成果には差が出てくることも押さえておく必要があります。日本の環境では、週にほんの数時間英語にふれるくらいで自然に習得するなどとは考えないほうがよいでしょう。「子どもにビデオを見せているだけで英語が話せるようになった」と言う人もいるようですが、よく分析すると、どこかで大人に意味を確認したり、何らかの形で意味情報が与えられるようなことが起こっているようです。覚えたフレーズを発話するだけで「しゃべれるようになった」と言うのでは、残念ながら「うちのオウムはしゃべれるの」と言うのと同じレベルです。意味もわからない英語をただシャワーのように聞かせるというだけでは、時間の無駄になりかねません。同じ時間をかけるなら意味のわかる英語を聞かせるほうがよいはずです。