日本は、首から「高地価」という鉄アレイをぶら下げて他国と「競走」しているようなものだ。都市再生本部は、いよいよ地価に頼らない安定成長を期して「聖域なき構造改革」で土地利用を抜本的に改革する「都市計画」に乗り出すか……と思いきや、ようすが違った。いつか来た道を再び、それも猛烈なスピードで走り始めたのだ。規制緩和の名のもとに容積率は「青天井」とされ、汐留地区で一三棟、品川駅東口に七棟、東品川九棟、六本木一棟、さらに秋葉原・神田、新宿、さいたま新都心と超高層タワービルの建設に拍車がかかった。かつて新宿副都心に一〇棟の超高層ビルが建つまで一〇年以上を要したという。都市再生の名における「再開発」が、いかに飛びぬけた速さで進められていることか。「六本木ヒルズ」の周辺は「第二種住居地域」に指定され、容積率は三〇〇パーセントに制限されていた。しかし緩和制度を利用し、再開発地域の平均容積率は「七一九パーセント」にまで引き上げられた。通常の二倍以上の容積、開発利益が森ビルに転がり込んでいる。そのオープニングで五一階の高級レストランに招かれた小泉首相は「どこが不況だ。ここから見れば分かるように民間の活力は大したもんだ」と述べた。一民間事業者の竣工パーティーに首相が馳せ参じて「寿ぐ」のは異例だ。超高層ビルは「ひとり勝ち」である。