自分の人生はこれしかなく、これでしかない

2012.02.05

造影による狭窄部はかなりの距離を伴っていたし、消化管穿孔や挿入後の腹痛の増強などのリスクも考慮しなければならなかった。患者自身との相談で、それを行う可能性は早期に棄却された。もし、実施していたらどうだったろうか。同一の患者に複数の道筋を選択できないことは、残された時間との闘いでもある進行癌治療の場合には時に心残りにもなる。この話は後に後輩に譲ることができた。K先生はヴァンクーヴァー以来お世話になっている方だし、この後輩も自信をもって推薦できる人間なのでよかった。自分がこの道を選べることができれば(そういう時にこの道を選んだかどうかはわからないが)また違った人生があったであろうが、もはや考えても仕方ないことである。自分の人生はこれしかなく、これでしかないのである。