「納得のいく就職ができる大学かどうか」という視点以外にも、大学を選ぶには、子どもの適性を知ることが重要な要素になってきます。私には2人の娘がいますが、同じ環境で、同じように育てているにもかかわらず、性格も、興味の対象も、好き嫌いも違います。これが違う家庭環境であればなおのこと、子どもの能力や個性には違いがあるはずです。それなのに、学歴社会の名残なのか、小学校、中学校と学年が上がるにつれ、親も子も当たり前のように「学校の勉強ができるかできないか」というモノサシでのみ、子どもの能力を推し量り、少しでも偏差値の高い学校へ進学をすることが子どもにとってよいことなのだ、という思い込みが強くなっていきがちです。その結果、「少しでも成績が伸びるなら……」と、塾代や家庭教師代に多くのお金を投じることになるのです。子どもを私立の中学や高校に通わせたり、塾や家庭教師にお金をかけたりすることが悪いと言っているわけではありません。「学校の勉強ができる」「勉強が好き」ということがその子の個性であり、よい大学を出ることで将来の夢に近づくのであれば、それを金銭的にも、精神的にもバックアップしてあげることはとても大切なことです。しかし、適性を見極めないままに、周りに感化されて私立の学校に行かせて安心したり、塾や家庭教師に教育の主導権を渡したりすることは、知らず知らずのうちに教育方針を歪ませ、結果的に子どもの人生を遠回りさせてしまう危険性を孕んでいるような気がしてなりません。それだけでなく、教育費を不用意に膨らませることでお金の無駄を生み、一番お金がかかる時期である大学での教育費が不足してしまい、それに引きずられて自分自身のライフプランをも破たんに導いていくことにつながりかねないのです。
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